
蒔絵印籠 滝図
今回お譲りいただきましたのは、優美な蒔絵が施された五段の印籠です。漆黒の地に映える、勢いのある雄大な滝の図が金銀の蒔絵で表現されています。
山肌や流れ落ちる滝の水の表現は、立体的な蒔絵技法が巧みに用いられており、見る角度によって光沢が変化し、流れ落ちる滝の迫力を感じさせます。この緻密な職人技こそが、印籠という小さな世界に壮大な自然の情景を凝縮する、日本の漆芸の真骨頂です。
印籠は、江戸時代に武士や裕福な町人たちが、薬や印鑑などを携帯するために腰から提げた道具です。やがて実用品としてだけでなく、身分や美意識を示すための装飾品として発展し、蒔絵師たちがその技を競い合う芸術品となりました。特に江戸中期から幕末にかけては、粋を凝らした意匠の印籠が盛んに作られ、その美しさは海外のコレクターをも魅了し、ジャポニズムの一端を担いました。
ご自宅に眠る古美術品、蒔絵や根付などの繊細な作品の査定・買取をご希望の際は、ぜひ一度、古美術永澤ご相談ください。経験豊富な査定士が、お客様の大切な品を丁寧に拝見いたします。
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