
蝶図刺繍貼り蒔絵箱
このたび買取させていただいたのは、漆芸と刺繍の美が融合した「蝶図刺繍貼り蒔絵箱」です。蝶が舞う姿を緻密な刺繍で表現した布を、蒔絵箱に貼り付けるという大変手の込んだ技法が用いられています。
金蒔絵によって描かれた唐草や小菊の装飾が刺繍を縁取り、絹糸特有の柔らかな光沢と漆の艶が互いを引き立て合う、類稀な意匠が目を引きます。蝶の羽の質感まで捉えた立体的な表現には、当時の職人の妥協なき美学が宿っており、見る者を飽きさせない気品を纏っています。
こうした「刺繍貼り」の漆器は、明治期から大正期にかけて、日本の精緻な手仕事が世界で称賛された時代に多く見られました。複数の工芸技術を一つの作品に凝縮させる超絶技巧の流行を背景に、富裕層の愛蔵品や海外への輸出品として珍重されたお品と推察されます。
古美術永澤では、漆芸をはじめ古美術品に精通した査定士が、お客様の大切なお品物を丁寧に拝見しております。ご自宅に眠っている古い漆器や、由来の気になる工芸品がございましたら、ぜひ、私どもの無料査定をご利用ください。
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