
古満寛哉 蒔絵文庫 源氏物語
江戸後期に活躍した蒔絵師、古満寛哉(こま かんさい、1767〜1835年)による「蒔絵文庫 源氏物語」です。
本作は、『源氏物語』第五帖「若紫」で、幼い若紫(のちの紫の上)が「雀の子を犬君(いぬき・女童のこと)が逃がしてしまったの」と嘆く有名な場面を表わしています。
高蒔絵で表現された、手前に施された美しい「柴垣(籬・まがき)」、その周囲を飛び交う「雀(鳥)」、そして美しい庭を思わせる「梅や竹」は、舞台である北山の庵(いおり)の情景を表現しています。
地肌の金砂子によるぼかしとグラデーションは、ただ均一に蒔くだけでなく、職人の長年の経験と高度なコントロールが求められる作業です。
この作品が制作された江戸時代中期から後期にかけては、古典文学を題材とした婚礼調度や高級な調度品が広く制作されました。とりわけ『源氏物語』は教養や格式の象徴として好まれ、多くの職人たちがその情景を漆器に描き出しました。
古美術永澤では、こうした歴史ある漆芸品や巨匠の作品を数多く取り扱っております。大切なコレクションの整理や売却をお考えの際は、ぜひ一度古美術永澤へご相談ください。
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