
1976年モントリオールオリンピックを記念して制作された、美術メダルの一品をお譲りいただきました。本作品は、当時の国際オリンピック委員会(IOC)主導のもと、文化プログラムの一環として世界各国の代表的芸術家に依頼された「公式記念美術メダルシリーズ」に属するもので、日本からは彫刻家の青山青晃(あおやま せいこう)氏が選出されました。
本メダルは、力強く抽象化されたランナー群像が浮き彫りにされています。人物の動きや前進する力が複数の直線と立体面で再構成されており、青山氏ならではのモダン彫刻的表現が全面に展開されています。
とりわけ右下に刻まれた「青晃」の銘が、本作が公式鋳造にあたって作者自身によって意図的に設計・署名された証であり、記念メダルでありながら作家性を強く感じさせる一作です。
1976年当時に限定鋳造されたものであり、現存数は限られております。こうした作品は、単なるオリンピック記念品としてだけでなく、戦後日本の美術界における国際的な造形表現の文化資料としても価値を持ちます。また、公式な国際文化事業において日本人作家が任を担った事例として、記念碑的な意義を備えたメダルでございました。
関連買取実績
-
この度、大変貴重な名刹と呼ばれる寺院の扉の金具をお譲りいただきました。 この金具は、名刹の伽藍を荘厳に飾っていた扉に用いられていたものということです。古くから、寺院建築において、扉や長押などの建...
2025.08.18
-
2025.08.06
-
2025.08.06
-
2025.08.06