
古羅針盤
先日、非常に珍しい古美術品を査定・買取させていただきました。それがこちらの、小さな羅針盤です。手のひらにすっぽりと収まるほどの可愛らしいサイズですが、ずっしりとした重みと、長い年月を経てきた深い味わいが感じられます。
白く滑らかな表面には、羅針盤の周囲をぐるりと囲むように文字が丁寧に書かれています。これらの文字は、十干十二支(じっかんじゅうにし)と呼ばれる、古代中国で生まれた暦法や方位を表す記号です。東洋の思想に基づいた、複雑かつ奥深い世界観がこの小さな道具に凝縮されています。
中央の羅針盤は、星形の八方に、それぞれ異なる文字が配されています。針は北を指し示しており、時を超えて今もなお、その役割を全うできることに驚きと感動を覚えました。現代のコンパスとは異なり、簡素な作りでありながらも、その姿からは当時の職人の確かな技術と、道具に対する真摯な姿勢が伝わってきます。
この羅針盤、蓋を閉めた姿もまた趣があります。蓋の表面には同心円状の美しい文様が彫り込まれており、これもまた、装飾品としての側面も持ち合わせていたことを物語っています。
このような羅針盤は、方位を占うための道具として、あるいは風水師や航海士など、特殊な知識を持つ人々によって使われていたと考えられます。現代のように誰もが地図やGPSを使える時代ではなかったからこそ、この小さな羅針盤がどれほど貴重な存在であったか、想像に難くありません。
古美術品は、単なる「古いもの」ではありません。そこには、人々の営みや文化、そして物語が詰まっています。皆さまのご自宅にも、もしかしたら眠っている「お宝」があるかもしれません。買取を検討される際は、ぜひ一度、古美術品の買取に精通した、私ども古美術永澤にご相談ください。一点一点、丁寧に査定し、そのお品物が持つ価値を正しく評価させていただきます。
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