
金唐革 (きんからかわ) 煙草入と煙管入(きせるいれ)
先日、大変珍しいお品をお譲りいただきました。精巧な装飾が施された金唐革 (きんからかわ) 煙草入と煙管入(きせるいれ)のセットです。
まず目を引くのは、煙草入の意匠です。これは「金唐革」と呼ばれるもので、革に型押しが施されています。これは、熟練の職人による加工技術により生み出されたもので、光の加減によって表情を変え、見る者を飽きさせません。
大胆に配されたのは、植物文様です。天へと伸びる躍動感あふれる様子が表現されています。この植物文様が、煙草入全体の雰囲気を格調高く引き立てています。
さらに特筆すべきは、その革の質感と色合いです。長年の時を経て変化し、独特の光沢を放っています。これは使い込まれた革だけが持つ、古美術品としての証です。
煙管入は、木製の筒で、携帯用の「煙管筒(きせるづつ)」として用いられていました。この煙管筒には、風雅な絵と文字が彫り込まれています。また、紐には、美しい緑色の玉が下げられており、全体のアクセントになっています。こうした細やかな心配りが、当時の粋な嗜好を物語っています。
かつて煙草入や煙管入は、個性を主張するための重要なファッションアイテムでした。素材や技術、意匠にこだわりぬいたこれらの品々は、持ち主の教養や財力を示すステータスシンボルでもあったのです。
今回の買取では、煙草入、煙管入ともに保存状態が良く、欠損や修復跡もほとんど見られませんでした。
私ども古美術永澤では、このような歴史的・美術的価値の高いお品物を、一点一点丁寧に拝見し、適正な価格をご提示しております。ご自宅に眠っている骨董品や古美術品がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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