
一舟(いっしゅう)作で 清安(きよやす)書の将棋駒
先日、貴重な将棋駒をお譲りいただきましたので、ご紹介させていただきます。今回、買取させていただいたのは、将棋駒の名工として知られる「一舟(いっしゅう)」が手掛けた、希少な「清安(きよやす)書」の駒です。
将棋駒の世界には、書体によってその価値が大きく変わります。王羲之の書を源流とする「錦旗(きんき)」、能書家・清安(きよやす)の字を写したとされる「清安」、さらに「菱湖(りょうこ)」など、数々の書体が古くから愛されてきました。中でも「清安書」は、太く力強い筆致でありながら、どこか優雅さを感じさせる独特の書体で、多くの将棋ファンを魅了しています。
今回、買取させていただいたお品は、その「清安書」を、名工「一舟」が彫り上げたものです。一舟は、山形県天童市で活躍した現代の名工で、その作風は繊細かつ力強く、見る者を圧倒する存在感を放ちます。特に、木目の美しさを最大限に活かした駒づくりは、多くの愛好家から高く評価されています。
今回の駒は、ご覧の通り、木地は美しい木目を持つ黄楊(つげ)材が使用されており、その中でも特に緻密な木地が選ばれています。黄楊材は使い込むほどに艶を増し、味わい深い色合いに変化していくことから、将棋駒の最高級品として珍重されています。一舟が選び抜いた木地と、清安書という歴史ある書体の組み合わせは、まさに一級品と呼ぶにふさわしいものです。
買取査定にあたり、私たちはこの将棋駒の「素性」を丁寧に確認いたしました。一舟氏の作であることを示す駒尻の署名、そして清安書の力強く美しい筆致。さらに、経年によるわずかな使用感はあれど、目立った傷や欠けはなく、良好な状態を保っていました。
将棋駒は、単なる遊具ではありません。それは、職人の技と芸術性が凝縮された工芸品であり、歴史や文化を物語る貴重な古美術品でもあります。今回の一舟作の清安書駒は、その価値を十分に備えた逸品です。
私ども古美術永澤は、このように価値ある将棋駒を、適正な価格で評価し、次世代へと受け継ぐお手伝いをしたいと考えております。ご自宅に眠っている将棋駒や古美術品がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。専門の査定士が、一点一点丁寧に拝見し、その価値を最大限に引き出すご提案をさせていただきます。
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