
犀角(さいかく)の盃
先日お客様より見事な彫刻装飾が施された犀角(さいかく)盃をお買取りいたしました。犀角盃は、サイの角を素材として製作された酒器で、中国古来より珍重されてきた工芸品です。画像の作品は、犀角特有の温かみのある褐色の美しい色合いを生かしながら、表面全体に立体的な彫刻装飾が施されています。
この犀角盃の最も印象的な特徴は、木苺をモチーフにした装飾的な注ぎ口にあります。犀角の自然な質感を活かしながら、彫刻によって、実用器でありながら観賞用としても価値を持つ逸品です。持ち手も造られており、実際に酒器として使用することを前提とした実用性と美術性の両立が図られています。
犀角盃の歴史は古く、中国では明・清時代に特に珍重されました。犀の角は古来より薬効があるとされ、毒を中和する力があると信じられていたため、権力者たちは毒殺を防ぐ意味でも犀角製の酒器を愛用しました。また、犀角は非常に希少で高価な素材であったため、犀角盃を所有すること自体が富と権力の象徴でもありました。
犀角盃の査定において重要なのは、まず素材の真贋判定です。犀角は現在ワシントン条約により取引が厳格に制限されているため、その真正性の確認が不可欠です。彫刻技術の評価と保存状態も査定の重要な要素です。
このような希少な素材を用いた古美術品は、国内外のコレクターから人気があります。古美術永澤では、専門的な知識を持つ査定士が、お客様の貴重なお品物を適正に評価させていただきます。犀角盃をはじめとする中国古美術品の買取をご検討の際は、ぜひ古美術永澤までお気軽にご相談ください。
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