
岩田久利 作のガラス壺
先日、弊社のLINE査定よりご連絡をいただき、岩田久利のガラス壺をお譲りいただきました。
お譲りいただいた作品は、深い青と澄んだ水色、そして白が渦を巻くように混ざり合う、美しいガラスの壺です。滑らかな曲線を描く胴体には、光が当たるたびに多彩な表情を見せるガラスの質感があり、見る者を飽きさせません。特に底部と口元の黒い縁取りが全体を引き締め、芸術品としての存在感を一層高めています。
岩田久利(いわた ひさとし、1925-1994)は、日本のガラス工芸を代表する作家の一人です。東京美術学校(現・東京藝術大学)工芸部図案科で学び、卒業後は東京工業大学の窯業科(ガラス研究室)にてガラス組成の研究に携わり、その後、父・岩田藤七の創立した岩田工芸(岩田工芸硝子)に入社。制作のみならず経営面でも力を発揮しました。
久利は、父が築いたガラス工芸の伝統と精神を受け継ぎつつも、より大胆で現代的な表現を追求しました。特に「宙吹き」と呼ばれる吹きガラスの技法を得意とし、溶けたガラスを竿に巻き取り、息を吹き込みながら自在に形を整えることで、ガラスに生命感と躍動を宿しました。さらに、鮮やかな色彩表現や金箔を閉じ込めた華麗な装飾を施した作品を多く制作し、日本のガラス芸術に独自の地位を築き上げました。
その功績は高く評価され、日本ガラス工芸協会の創設(初代会長)に携わったほか、文部大臣賞、毎日芸術賞、日本芸術院賞などを受賞し、日本のガラス工芸界の発展に大きく貢献しました。
もしご自宅に岩田久利や岩田藤七、あるいは他のガラス工芸作家の作品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の査定をご検討ください。査定にあたっては、作品の状態はもちろんのこと、共箱や共布といった付属品の有無、そして作品の希少性や作風などを総合的に評価いたします。
岩田久利の作品には、日本の伝統とモダンな感性が融合した、唯一無二の美しさがあります。ガラス工芸品の買取は、ぜひ古美術永澤にお任せください。一点一点、丁寧に拝見し、適正な査定額をご提示いたします。
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