
南京錠
先日、目を引く古い南京錠をお譲りいただきました。一点は真鍮の美しい魚の形、もう一点は無骨な鉄の味わい深い錠前です。
目を引く魚の形の南京錠は、中国の古い錠前によく見られる意匠です。鯉などの魚は、その繁殖力の強さや、困難を乗り越える縁起の良いシンボルとして珍重されてきました。この魚形の錠前は、精巧な細工とからくり的な構造を持つものが多く、そのデザイン性の高さから骨董品市場でも人気があります。
鉄製の南京錠は、その重厚な作りから、蔵や門扉など、より厳重な場所に使われていたことが想像されます。長い年月を経て表面に現れた錆と、どっしりとした形状が歴史を語りかけてきます。
古代中国において錠の歴史は非常に古く、木製から始まり、時代とともに鉄や銅といった金属へと材質も進化してきました。日本へは江戸時代頃に中国経由で南京錠が伝わったとされています。今回の二つの錠前は、文化的な背景や人々の暮らしに寄り添ってきた「守りの道具」としての歴史を物語っています。
古美術永澤では、このような歴史と趣のある古道具や古美術品の査定・買取を随時承っております。ご自宅に眠る古いお品物がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。
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