
矢立 (やたて)
矢立(やたて)と呼ばれる、江戸時代以降に普及した携帯用の筆記具をお譲りいただきました。
矢立は、筆と墨壺を一体化させた形状をしており、侍や文人、そして広く庶民に至るまで、旅先や外出先で文字を記すための必須アイテムとして愛用されました。
この矢立の特徴は、細身で持ち運びしやすい筒状の筆軸(ふでじく)と、そこから提げられた墨壺(すみつぼ)です。筆軸には、控えめながらも雅な金工の象嵌細工が施されており、見る者に日本の伝統的な美意識を感じさせます。特に、墨壺の蓋に施された花と笹のモチーフは、金色の絵柄と銀色の地金とのコントラストが美しく映えています。
時代が下るにつれて、より装飾性の高いものや、様々な工夫が凝らされた矢立が作られるようになり、実用品としてだけでなく、根付のような装飾品としての側面も持ち合わせています。
古美術永澤では、こうした歴史と文化を伝える矢立をはじめとする古筆記具の査定・買取を承っております。買取をお考えの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
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