平田郷陽 衣裳人形

人形作家、平田郷陽（ひらた ごうよう、1903-1981年）による貴重な人形作品をお譲りいただきました。

この人形は、静かに座りながら小さな杯を手のひらにのせた女性の姿を表現しています。郷陽は、従来の衣装を着せ付けた「衣裳人形」の枠を超え、人物の内面や動きの瞬間を捉える「活人形（いきにんぎょう）」の流れを汲み、独自の境地を切り開きました。彼が生み出す人形は、単なる工芸品としてだけでなく、魂が宿っているかのような生命感と、洗練された芸術性を兼ね備えています。

平田郷陽は、1955年に人形作家として初めて重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定されました。その功績は、日本の人形芸術の地位を大きく向上させたことにあり、作品は国内外の美術館にも収蔵されています。

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