
白磁酒杯
この度お譲りいただいたのは、繊細な絵付けが施された白磁の酒杯です。桐箱に収められ、丁寧に保管されていたことが伺える逸品です。箱を開けた瞬間に目に飛び込んできたのは、純白の磁器に映える、金彩の雅やかな世界でした。
酒杯の中央には、百花の王と称される牡丹の花が堂々と描かれています。そして、その周囲を舞うのは、金色の翼を持つ三羽の鳳凰。鳳凰は古来より吉兆の象徴とされ、高貴さや永遠の命を表す縁起の良い鳥として尊ばれてきました。その優美な姿が、熟練の職人によって見事に表現されています。
また、特筆すべきは、鳳凰と牡丹の間に配された菊の御紋です。この菊の御紋は、日本の皇室の紋章として知られていますが、古くから吉祥の紋様としても用いられてきました。十六弁の菊花を象った紋様が、金彩で繊細に描かれています。これらのモチーフの組み合わせは、この酒杯が非常に格式高い場所で用いられたものであったことを示唆しています。
この酒杯の魅力は、絵付けの華やかさだけではありません。白磁のなめらかな質感、そして手にしっくりと馴染む薄造りの感触。これらの特徴は、高度な技術を持つ窯元で製作された証です。磁器を透過する光の柔らかさもまた、この酒杯の美しさを際立たせています。
私ども古美術永澤は、単に品物の価値を金額で判断するだけでなく、そのお品物が持つ歴史や物語、そしてお客様の思い入れにも寄り添うことを大切にしています。今回の酒杯のように、美術的価値と歴史的背景を兼ね備えたお品物は、その価値を正当に評価し、次世代へと受け継ぐお手伝いをさせていただきたいと考えております。
もし、ご自宅に眠っている古美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。一点一点、丁寧に拝見し、そのお品物の価値を最大限に引き出すよう努めさせていただきます。専門の査定士が、お客様にご満足いただけるよう、心を込めて対応いたします。
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