
仏頭 根付
今回、買取させていただいたのは小針樹生作の仏頭の根付です。穏やかで慈愛に満ちた表情の仏様が、繊細かつ立体的に彫り出されています。
根付とは、江戸時代に煙草入れや印籠などを帯から提げる際に用いた留め具のこと。単なる実用品としてだけでなく、素材や彫刻の意匠に凝った工芸品として発展し、多くの人々に愛されました。この仏頭の根付も、細部にわたるこだわりが随所に見られる逸品です。
まず目を引くのは、その見事な彫りの深さです。仏様の柔らかな頬のふくらみ、瞼のわずかな起伏、そして口元の微笑みは、まるで生きているかのような生命感を宿しています。特に、頭髪の螺髪(らほつ)や、髪飾りを彷彿とさせる精巧な装飾は、大変見事です。素材の持つ白く滑らかな質感が、仏様の清らかな雰囲気を一層引き立てています。
作者の小針樹生は、根付の世界において知る人ぞ知る存在です。その確かな技術力と、対象の内面まで見抜くかのような表現力は、数々の名品を生み出してきました。本作品においても、単に仏様の姿を模倣するだけでなく、その慈悲深い心や穏やかな精神性までもが表現されており、作者の卓越した技量を見て取ることができます。
この根付は、長い年月を経てもなお、その美しさを保ち続けています。保存状態が良く、欠けや変色なども見られません。付属の箱も作品の状態を良好に保つ上で重要な役割を果たしており、箱書と共に作品の由緒を物語る貴重な資料となっています。
私ども古美術永澤は、その作品に込められた作者の想い、時代背景、そして何よりもその美術的価値を正しく評価することを第一に考えております。今回の仏頭根付は、根付という小さな世界に凝縮された、日本の伝統工芸の奥深さを伝える傑作です。
ご自宅に眠っている美術品や骨董品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の無料査定をご利用ください。専門の査定士が、一点一点丁寧に拝見し、その価値を最大限に評価させていただきます。
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