
古代エジプトの伝統を受け継ぐ青銅製の猫像をお譲りいただきました。
古代エジプトでは猫は特別な動物とされ、女神バステトの化身として崇拝されました。バステトは豊穣と安産、家庭の守護、さらには音楽や喜びを司る女神であり、その象徴である猫は神殿への奉納や家庭の護符として数多くの像に作られました。とりわけ紀元前一千年紀には青銅製の猫像が盛んに制作され、神殿の祭礼や信仰生活に深く関わっていたことが知られています。
猫像は単なる装飾品ではなく、邪悪を退け、家庭を守る守護の存在として大切にされました。実際、古代エジプトでは猫を傷つけることは重罪とされ、家族同様に手厚く扱われていたと伝わります。そうした文化的背景を映すこの像もまた、人々の祈りや安心の拠りどころとしての役割を担っていたと考えられます。
本作は台座とともに飾りやすいサイズでありながら、青銅という重厚な素材感により存在感が際立ちます。現代に伝わる猫像は、古代人が神に託した願いと美意識をいまに伝えるものです。
関連買取実績