
河西啓齋の木彫 亀置物
お客様より河西啓齋作の木彫「亀置物」をお譲りいただきました。
本作は、細部まで精緻に彫り込まれた写実性が大きな特徴です。特に動物をモチーフにした木彫作品に秀でており、本作の「亀」も独自の繊細な技巧が発揮されています。
今回の作品は、悠然とした亀の姿が一本の木から彫り出されています。甲羅の六角形の模様や、皮膚の細かな皺、そして四肢の造形は、木の色合いや木目を活かしつつ、熟練の鑿(のみ)の跡が、この作品に深みと温もりを与えています。
共箱には「龜置物」「啓齋刻」と墨書されており、落款印も確認できます。共箱があることで、作品の由緒や真正性がより明確になり、お品物全体の価値を高めています。
亀は古来より長寿や繁栄の象徴として尊ばれてきました。その縁起の良さから、置物や調度品としても重宝されてきました。河西啓齋の作品は、そうした伝統的なモチーフに、独自の芸術性を吹き込んだ唯一無二の存在です。
もしご自宅に眠っている古美術品や工芸品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤ご相談ください。お客様の大切な品物を、次の時代へと受け継ぐお手伝いをさせていただきます。心を込めて査定し、ご満足いただけるよう努めます。
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