
飯塚琅玕齋(いいづかろうかんさい)の花籃
飯塚琅玕齋(いいづかろうかんさい)の花籃をお譲りいただきました。
日本の伝統工芸の中でも、竹工芸はとりわけ繊細な美と技を要する分野です。その世界で人間国宝に認定され竹工芸発展に大きく貢献したのが、飯塚琅玕齋(いいづか・ろうかんさい 1890–1958)です。彼の作品は、実用性とともに芸術性が高く、現在では国内外の美術館に所蔵されるほか、古美術市場でも高い評価を得ています。
琅玕齋は、竹細工職人の家に生まれ、幼少期から竹に親しみました。20代で「花籃(はなかご)」を中心とした竹工芸に本格的に取り組み、徐々に独自の美学を築いていきます。従来の籠編みの枠を超え、造形としての意匠を追求した作品は、それまで実用品であった竹細工の概念を一変させました。
代表作に見られるのは、細く裂いた竹ひごを緻密に編み上げた構造と曲線美。底から縁まで一本の竹で編み上げる束ね編、刺編などの技法を用いた花籃は、美術品として見る者を魅了します。
1926年にパリ万博にて銅賞を受賞し、1932年帝展で特選受賞。1952年には日展参事に就任、1982年には重要無形文化財「竹工芸」保持者の認定を受けました。彼の活動は、多くの後進の育成にもつながり、現在の竹工芸発展の礎を築いたと言えます。
飯塚琅玕齋の作品は、希少性と芸術性の高さから、古美術市場でも人気があります。もし、買取を検討される際は、ぜひ古美術永澤へご相談ください。専門の査定士が丁寧に拝見します。
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