鈴木 藏 志野茶碗

陶芸家・鈴木 藏の志野茶碗をお譲りいただきました。

鈴木 藏は、桃山時代から続く伝統的な志野焼の精神を現代に継承しながらも、独自の解釈と技術革新を加えた作風で知られています。志野釉の調合に独自の工夫を凝らし、従来よりも複雑な発色と奥行きのある味わいを生み出すことに成功しています。

この茶碗は、鈴木蔵の志野焼の技術を見事に表現しています。乳白色の釉薬に自然と生まれる赤褐色の斑点と模様が特徴的で、これらは焼成過程で独特の風合いとなって現れています。不規則な表面の質感は、自然の偶然性のバランスを絶妙に操る技術によるもので、一点物としての個性を生み出しています。茶碗の形状は、安定感のある高台と微妙に非対称な形で伝統的な美意識に従っており、内側には釉薬が窯の雰囲気と反応して生まれた美しい「火色（ひいろ）」効果が見られます。

この作品の価値をさらに高めているのが、作者の署名と印が押された木製の共箱（ともばこ）です。茶道具のコレクターや愛好家にとって、署名入りの箱は作品の真正性と価値を大きく高める要素となり、同様の作品でも箱がないものと比べて価値が上がることもあります。

鈴木 藏の作品は、日本国内外のコレクターから注目を集めており、展覧会やコレクションの展示に定期的に登場しています。

鈴木 藏のような有名作家の作品で、共箱付きの茶道具をお持ちの方、茶道具や陶磁器の査定をご希望の方は、ぜひ古美術永澤にお気軽にご相談ください。

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