
織部焼の獅子香炉
織部焼の獅子香炉をお譲りいただきました。
手のひらに収まるサイズながら、存在感のある獅子香炉は、古田織部の美意識が色濃く反映された織部焼によるもので、茶の湯文化の発展とともに生まれた独特の造形美で多くの愛好家を魅了し続けています。
この香炉の魅力は、織部焼特有の緑釉による深みのある色合いです。全体に施された黄緑色の釉薬は、窯の中で偶然生まれる自然な色むらや濃淡の変化を見せ、一つとして同じ表情を持たない唯一無二の美しさを演出しています。また、胴部に見られる鉄絵による装飾文様も織部焼の代表的な技法です。
香炉の蓋部分には、愛らしくも威厳のある獅子が立体的に表現されています。獅子は古来より魔除けや厄払いの象徴とされ、特に香を焚く道具においては、その煙とともに邪気を払う意味が込められています。この獅子の表情は、怖さよりも親しみやすさを感じさせる造形で、織部焼らしい斬新な美意識が表現されています。
香炉の機能面では、獅子の口部分で通気性を確保し、香の燃焼を助けるなど、実用的な配慮も忘れられていません。
織部焼の香炉、特に獅子をモチーフにした作品は古美術市場でも高い評価を受けています。桃山時代から江戸初期の古織部であれば、状態によって高額で取引されることも珍しくありません。この時代の織部焼は現存数が限られており、特に香炉のような茶道具は茶人からの需要も高く、コレクターズアイテムとしての価値も年々上昇しています。
時代を超えて愛され続ける織部焼、もしお手元に古い織部焼をお持ちで買取をお考えでしたら、ぜひ古美術永澤へご相談ください。専門の目利きがその価値を最大限にご提示いたします。
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