魚形 香合

美しい魚形の香合をお譲りいただきました。

この香合は、鯉をモチーフにした愛らしい造形が印象的な作品です。全体に施された深い瑠璃色の釉薬が美しく、まるで泳ぐ鯉の躍動感を表現したような生き生きとした仕上がりです。胴体部分には鱗の表現が施され、職人のこだわりと高い技巧がうかがえます。

蓋と身の合わせ部も丁寧に作られており、古い品にも関わらず蓋の開閉は滑らかで、製作当初の品質の高さを物語っています。内部の白い素地との対比も美しく、香木を収める実用性と観賞性を両立させています。

香合は室町時代から茶の湯で用いられるようになった茶道具で、香木や練香を入れる小さな容器です。特に魚形の香合は鯉や鮎、鯛など様々な魚をモチーフとした作品が数多く制作されました。鯉は中国では縁起の良い魚とされており、日本でも立身出世の象徴として愛されてきました。

香合の買取査定では、まず製作された時代と作者の特定のほか、欠けや直しがないか、蓋と身の合わせに問題がないかを詳細に検査し、保存状態の良好さを確認しました。

魚形香合は茶道愛好家のコレクターアイテムとしても人気があり、特に状態の良いものは市場でも高値で取引されています。本作品は発色の美しさと造形の完成度、そして良好な保存状態を総合的に評価させていただきました。

古美術永澤では茶道具をはじめとする古美術品の専門知識を持つ査定士が、一点一点丁寧に査定を行っております。香合のような小品であっても、その歴史的価値と芸術性を正しく評価し、お客様にご満足いただける買取価格を提示いたします。茶道具の整理や買取をお考えの際は、ぜひ古美術永澤までお気軽にご相談ください。

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