
本阿弥光悦 茶碗
本阿弥光悦(ほんあみ こうえつ、1558-1637)による茶碗をお譲りいただきました。光悦は桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した芸術家で、書道、蒔絵、陶芸など多岐にわたる分野で傑出した才能を発揮した人物です。
今回の茶碗は、光悦特有の自由な造形が印象的な作品です。手びねりによる温かみのある形状は、完璧な円形を意図的に避けた「わび」の美学をあらわしています。釉薬の掛け方にも光悦らしい特徴が見られ、意図的な釉薬の流れや色調の変化が、一つとして同じもののない個性を表現しています。
光悦の茶碗の魅力は、その独創性にあります。当時の茶道界では朝鮮茶碗や中国茶碗が珍重されていましたが、光悦は日本独自の美意識に基づいた茶碗を創作しました。この茶碗も、日本人の繊細な感性と自然観が反映された逸品といえるでしょう。
保存状態も良好で、茶碗の高台には光悦特有の削りの跡が確認でき、その技法の巧みさを物語っています。
光悦の作品は現在、重要文化財に指定されているものも多く、美術史上極めて価値の高い存在です。特に茶碗は光悦芸術の真髄を示すものとして、茶道愛好家のみならず古美術コレクターからも高い評価を受けています。
古美術永澤では、このような歴史的価値の高い茶道具について、専門的な知識と豊富な経験をもとに適正な査定を行っております。光悦をはじめとする桃山時代の茶道具は、その芸術性と希少性から常に高い需要があり、適切な評価のもとで次の愛好家へと受け継がれていくことを願っております。
古美術永澤では、今後もこのような貴重な文化財の適正な評価と保存に努めてまいります。
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