天目茶碗

本日は、鑑定会にお持ち込みいただいた天目茶碗の買取事例をご紹介いたします。こちらは玳玻天目（たいひてんもく）の特徴を持つ、美しい作品です。

天目茶碗は、中国宋時代に始まり、日本の茶道においては身分の高い方へのお点前で使われた非常に格の高い茶碗です。今回の茶碗は、深い黒褐色の釉薬に黄褐色から茶褐色の大きめの斑紋が不規則に現れた玳玻天目(たいひてんもく)の特徴がみられます。

玳玻天目は玳瑁（たいまい）、つまり鼈甲（べっこう）に由来し、その名の通り鼈甲のような美しい色合いと模様を持ちます。釉薬の表面に現れる斑紋は、焼成時の微妙な温度変化と釉薬中の成分が作り出す自然現象で、まさに窯変の芸術といえるでしょう。光の当たり方によって表情を変える斑紋は、深い味わいと神秘的な美しさを湛えています。

今回の査定では、以下の点を評価いたしました。

造形美：端正な椀形で、口縁部から高台にかけてのラインが美しく、手に取った際の重量感も適切でした。

釉薬の状態：玳玻天目特有の斑紋の発色が美しく、釉薬の厚みも適度。表面に大きな貫入やひび割れもなく、保存状態は良好でした。

天目茶碗は茶道具の中でも特に人気が高く、コレクターからの需要も安定しています。特に玳玻天目は、その独特な鼈甲色の美しい発色と希少性から高い評価を受けています。

作品の出来栄え、保存状態などを総合的に判断し、適正価格での買取をさせていただきました。

天目茶碗は、その美しさだけでなく歴史的価値も高い茶器です。ご家庭に眠っている天目茶碗がございましたら、ぜひ一度専門家による査定を受けてみませんか。

古美術永澤では、陶磁器に精通した査定士が丁寧に査定し、適正な価格での買取をいたしております。お気軽にお問い合わせください。

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