
菊紋彫金の香合
この度、菊紋の彫金が施された格調高い香合をお譲りいただきました。黒漆塗りの表面に精緻な菊花文様が彫金で表現されたこの香合は、茶道具としての実用性と美術工芸品としての価値を兼ね備えた優品です。
香合は茶道において香を入れる道具として使用され、特に炉の季節(11月から4月)に重要な役割を果たします。菊紋は古来より高貴な象徴とされ、皇室の御紋としても知られています。この香合に施された菊紋の彫金技法は、日本の金工技術の粋を集めたものと言えるでしょう。
表面の黒漆は時代を経た深い艶を見せており、その上に施された菊紋の彫金は立体的で、職人の高い技術力が窺えます。特に花弁の一枚一枚に施された細かな彫りは、この香合の格の高さを物語っています。
今回の査定では次の点を重視いたしました。
・技法の確認:彫金の技法の判別において、この香合は明らかに手彫りの跡が認められ、職人の技量の高さが評価できました。
・時代性の判定:漆の状態、金属部分の経年変化、全体の風合いから時代を推定。
・保存状態:欠けや傷の有無、漆の剥離状況を詳細に検証しました。
・箱書きの確認:共箱や書付の有無も重要な判断材料としました。
菊紋香合は茶道具市場において安定した需要があり、特に本格的な彫金技法による作品は高い評価を受けています。近年の茶道具市場では、実用性と美術性を兼ね備えた香合への関心が高まっており、コレクターや茶道愛好家からの引き合いも多くなっています。
この香合の場合、彫金の技術水準の高さ、保存状態の良さ、そして菊紋という格調高い意匠が評価され、お客様に納得いただける日査定となりました。
古美術品の価値は、その美しさだけでなく、歴史的背景、技法の確かさ、保存状態などさまざまな視点から判断されます。
古美術永澤では、このような茶道具をはじめとする古美術品の適正な評価に努め、お客様に納得いただける査定を心がけております。お手元に眠る茶道具がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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