
中国茶文化で用いられてきた籐編みの瓶敷をお譲りいただきました。繊細な円形の編み構造と中央の透かしが特徴で、実用品でありながら高い美的価値を備えた一品です。
本品は、煤竹を用いて丁寧に編まれており、放射状に広がる編み目の美しさが際立ちます。周縁部は密に編まれており、中心に向かって透かし編みが施される構造は、鉄瓶などの熱源を安定して支え、接地面の保護と通気性の確保を両立させる工夫が見られます。
中国において瓶敷は、鉄瓶や湯瓶などを卓上や茶卓に直接置かず、熱による損傷や輪染みを防ぐための重要な道具です。とくに福建・広東地方を中心とした伝統茶文化の中で用いられてきたもので、実用と審美を兼ね備えた茶器周辺具のひとつとして扱われてきました。
また日本でも、明治期以降に唐物趣味が高まる中で、こうした中国製の瓶敷は茶の湯に取り入れられ、格式ある茶道具の一部として珍重されてきました。
状態は良好で、ほつれや歪みは少なく、編みの緊張感を保っています。中国茶文化の実用品としての背景と、日本における唐物評価の文脈を併せ持つ点を高く評価させていただきました。
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