
茶杓
先日、お客様より、素晴らしいお品物を買取させていただきました。そのお品は、竹製の茶杓と、それを納める筒のセットです。茶杓は抹茶を茶碗に入れるための道具で、茶の湯においては亭主の美意識や心を表す重要な道具とされています。
まず目を引いたのは、その凛とした佇まいと美しい姿です。茶杓は、作者が竹の節や曲がりを活かしながら、一本一本手作業で削り出して作られます。こちらの茶杓は、ゆるやかに曲がり、すっとした端正な姿をしています。
そして、共筒に書かれた銘文にもご注目ください。上部には「利休形」、下部には花押のようなサインが記されています。
「利休形」とは、茶の湯の大成者である千利休が好んだと伝えられる茶杓の形を指します。無駄を削ぎ落とした、簡素でありながらも気品ある姿が魅力です。
このお品物も、まさに利休が求めた「わび」の精神を体現しているかのような造形です。作られた時代や作者を特定することは難しいものの、茶の湯の歴史と美意識が凝縮された逸品と言えるでしょう。
また、共筒に記された花押も、お品物の価値を高める重要な要素です。花押は、署名やサインのようなもので、作者やその家系、流派などを特定する手がかりとなります。
買取査定にあたっては、こうした点に加え、茶杓の状態も丁寧に拝見しました。長年愛用されてきたものですが、割れや欠けもなく、非常に良い状態を保っていました。使い込まれたことによる、竹ならではの深い色艶も魅力です。
お客様が大切にされてきたお品物であること、そして茶道具としての価値を総合的に判断し、お客様にご満足いただける価格で買取させていただきました。
このように、茶道具は、その姿形や銘文、花押、そして伝来に至るまで、様々な要素が絡み合い、その価値が形成されます。
ご自宅に眠っている茶道具や古美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。一点一点、丁寧に拝見し、そのお品物の背景にある物語や価値を見出し、適正な価格で買取させていただきます。
買取をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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