
蒔絵 香合
この度、貴重な蒔絵(まきえ)の香合(こうごう)をお譲りいただきました。
このお品は蓋の表に写実的で繊細な金蒔絵が施された兎(うさぎ)の図が目を引きます。まるで彫金のように立体的に表現する技術が用いられており、渋く落ち着いた金の色調が、堂々たる雰囲気を醸し出しています。
特筆すべきは、蓋を開けた内側の意匠です。上蓋の内側には、群れ飛ぶ千鳥(ちどり)の姿が金蒔絵で描かれ、下箱の内側には、波濤と思われる緻密な蒔絵が施されています。
外側で見せた重厚な蒔絵の趣とは対照的に、内側には流麗な漆芸の技法が用いられており、一つの作品の中で異なる表現が巧みに融合しています。この作品は、全体が漆芸の高い技術によって成り立っています。
香合は、古くから茶道具の中でも特に装飾性の高いものとして愛好されてきました。単に香を収める実用品としてだけでなく、亭主の趣向を表す美術工芸品として、その小さな世界に日本の美意識が凝縮されています。
ご自宅に眠っている古い香合や茶道具、漆芸品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の査定・買取をご検討ください。お客様の大切なお品物を、次世代へと繋ぐお手伝いをさせていただきます。
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