
金蒔絵 香合 籬(まがき)に菊の図
見事な金蒔絵の香合をお譲りいただきました。
この香合は、蓋表全体に菊の意匠が緻密に描かれており、蒔絵の技法が存分に発揮されています。香合の意匠として古くから愛されてきた菊は、古来より高貴な花として尊ばれ、このお品の籬(まがき)に菊の図は、平安時代末期から鎌倉時代にかけての蒔絵の傑作にも見られる伝統的な主題です。
香合は、もともと香を納める容器として仏前で用いられ、後には茶の湯において、炭点前の際に香を焚くために欠かせない道具となりました。掌の上の小さな美術品ともいえる香合には、その時代の美意識や工芸技術が凝縮されています。
蒔絵技法は、日本の漆芸独自の加飾法として奈良時代に起源を持ち、時代とともに洗練され、特に安土桃山時代から江戸時代にかけて茶の湯の発展とともに、香合などの茶道具にも多く用いられ、美しさと技術を高めていきました。このお品も、高度な蒔絵技法が見られ、細部まで丁寧に作り込まれた逸品です。
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