
堆朱 (ついしゅ) 貝・蟹図 香合
鮮やかな朱と巧緻な彫刻が魅力的な堆朱の香合をお譲りいただきました。堆朱とは、中国の唐代に始まるとされる伝統的な漆芸技法の一つで、漆を何度も厚く塗り重ねた層を彫刻刀で彫り込むことで、立体的な文様を表現するものです。
本作品は、落ち着いた黒漆の地に波文様が刻まれ、その上に鮮やかな朱漆で海中の情景が描かれています。上蓋にはダイナミックな姿の蟹が一匹、そして下箱には法螺貝や巻貝などの貝類が、水草のような表現と共に緻密に彫り上げられています。
堆朱の香合としては珍しく、海産物や水中景観を主題としている点が非常に魅力的です。力強く、それでいて繊細な彫り口からは、職人の高度な技術と、モチーフへの深い観察眼がうかがえます。このような巧緻な彫刻は、お茶席の香を納めるための道具である香合に、格調高い華やかさをもたらしています。
古美術永澤では、今回ご紹介した堆朱をはじめ、螺鈿(らでん)や蒔絵(まきえ)などの様々な技法が用いられた漆芸品、そして茶碗、棗、掛軸といった茶道具の買取を強化しております。買取をお考えの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
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