山田常嘉 蒔絵香合

江戸中期に活躍した山田常嘉（やまだ じょうか）による蒔絵香合をお譲りいただきました。

山田常嘉は、江戸中期から後期にかけて活躍した名工で、香箱や印籠制作における高い技術と革新的な表現は多くの愛好家を魅了しています。

この香合は、常嘉が得意とした瀟洒で格調高い意匠が見て取れる優品です。香合の蓋表には、金地に墨絵の様な調子で幽玄な松林の図が描かれています。この静謐で奥行きのある表現は、常嘉が磨き上げた独自の技法と美意識の結晶です。

身の部分を開くと、三つの蓋が設けられており、それぞれ異なる文様が緻密な蒔絵で施されています。上は網代（あじろ）を模した地文、まん中は花菱の吉祥文様、下は唐草模様といった具合に、一つ一つにこだわりが見られ、手の込んだ細工が施されています。香合としての用途に留まらず、工芸品としての高い完成度と趣深さから、茶席にて珍重されたものと考えられます。

古美術永澤では、茶道具の査定・買取を承っております。この度のような時代を経た優品につきましても、確かな知識と経験に基づいて適正に評価いたしますので、どうぞ安心してお任せください。

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