
山水蒔絵香合
極めて上質な山水蒔絵香合をお譲りいただきました。蓋表には、繊細な蒔絵技法を駆使し、日本の春の景色が表現されています。
蓋表を飾るのは、穏やかな山里の風景です。金と黒を基調とした背景に、満開の桜、そして青い顔料を混ぜた漆で表現された常緑樹のコントラストが際立ちます。特に、手前の茅葺屋根の家屋は重厚な金で立体的に盛り上げられ、家の横を流れる川の波紋が細い線で描かれています。
香合は、お茶席で香木や練り香を入れる蓋物(ふたもの)で、茶道具の中でも亭主の趣味や季節感を反映する重要なアイテムです。この香合も、見る者を静かな山水画の世界へと誘い、茶席に格調高い彩りを添えたことでしょう。時代を経てもなお失われない漆の深い艶と、金の輝きは、日本の伝統工芸が培ってきた美意識と卓越した技術を雄弁に物語っています。
茶道具や古美術品のご整理をご検討の際は、ぜひ一度、古美術永澤へご相談ください。査定士が適正に査定し、お客様にご納得いただける形で次の方へと橋渡しさせていただきます。
関連買取実績
-
2025.12.02
-
2025.12.02
-
2025.12.02
-
2025.12.01








