菊垣図 蒔絵香合

艶やかな黒漆地 菊垣図（きくかきず）蒔絵香合をお譲りいただきました。手に取るだけで、繊細な手仕事の跡が感じられる、格調高い一品です。

この香合は、漆の黒と、優美な金蒔絵のコントラストが際立つ、美しいお品です。蓋の全面に描かれた意匠は、秋を代表する菊の花々が、優美な垣根と共に配されており、深まる季節の庭園の情景を見事に表しています。「垣に菊」という図案は伝統的な意匠の一つであり、菊の持つ高貴さや長寿の吉祥性に庭園の趣を象徴する垣が加わることで、より格調高い趣きを醸し出しています。

蒔絵は、江戸時代の茶の湯の流行に伴い、香合をはじめ印籠や文箱などにもその技術が惜しみなく注がれ、美しさを極めています。この香合も、茶席で炭点前の際に香を納めるための道具として、大切にされてきたことでしょう。

古美術永澤では、今回のような蒔絵の香合をはじめ、茶道具や漆芸品全般の査定・買取を承っております。ご自宅に眠る美術品・骨董品の買取をご希望の際は、ぜひ一度ご相談ください。

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