
古今香(ここんこう)に用いられる香札
格式高い茶席の遊びとして知られる「古今香(ここんこう)」に用いられる一揃いの香札(こうふだ)を買取させていただきました。
古今香は、香道における組香(くみこう)の一種で、三十六歌仙の歌にちなんだ香を焚き、その香を聞き分ける遊びです。その遊びに必須となるのが、札に歌仙の名を記したこの香札です。
本品は、歌仙の「在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)」や「僧正遍昭(そうじょうへんじょう)」といった名が、細く力強い筆致で描かれています。特に、表面の黒漆と、歌仙名を際立たせる金文字の対比が美しく、控えめながらも格調高い仕上がりとなっています。
こうした香道具は、江戸時代以降、大名や公家、裕福な町人の間で洗練された教養として楽しまれました。香木を聞き、その香を聞き分ける精神的な遊びは、和歌や文学の知識、そして集中力を養う修行の側面も持ち合わせていました。
古美術品永澤では、香道具や茶道具の査定・買取を承っております。経験豊富な査定士が、お客様の大切なお品物を丁寧に拝見し、その文化的価値、美術的価値を最大限に評価し、適正な価格で買取させていただきます。
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