蒔絵香箱

大変味わいのある蒔絵の香箱をお譲りいただきました。このお品は、深い黒漆の箱の中に三つの小さな香合入れが収められた、非常に贅沢な一揃いです。

香合は、茶の湯の席で、お香を入れるための小さな蓋物で、茶道具の中でも特に季節感や亭主の趣向が凝らされる愛らしい器です。蓋には、松や四季折々の草花が描かれた華やかな金蒔絵によって描かれています。松の枝ぶりなどが漆器特有の柔らかな光沢の中で見事に表現されています。

この蒔絵の技法は、漆器の表面に漆で文様を描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔き」つけて定着させる、日本独自の高度な加飾技法です。

こうした時代を経たお品は、実際に茶席で使われてきた歴史や、香木の芳しい香りが染み付いた風合いが魅力です。

古美術永澤では、茶道具をはじめ掛け軸、陶磁器など古美術品の査定・買取を幅広く承っております。ご自宅に眠るお品で、買取をご検討中のものがございましたら、お気軽にご相談ください。

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