
蒔絵香合
漆黒の平香合に、愛らしい二羽の鶉(うずら)が配された美しい蒔絵香合をお譲りいただきました。この作品の最大の見どころは、繊細かつ力強い蒔絵の装飾です。
二羽の鶉が、画面には描かれていない月を仰ぎ見ている。そんな秋の情景を彷彿させる場面が描かれています。
丁寧に表現された蒔絵の技法は、熟練の職人による精緻な手仕事を感じさせ、深みのある黒漆との対比が静謐な美しさを醸し出しています。足元にさりげなく添えられた秋草の意匠も、器全体に季節の情緒を添えており、茶席の空間を引き締める品格を備えた逸品です。
古くから香合は、茶事における「炭点前」で香を焚き清めるために欠かせない道具として、数ある茶道具の中でも特に大事にされてきました。なかでも鶉の図案は、平安時代から続く和歌の伝統や「平穏な暮らし」への願いが込められた吉祥文様として、多くの茶人や文化人に好まれてきた歴史があります。
古美術永澤では、長年大切に保管されてきた茶道具の価値を正しく見極めるお手伝いをしております。お手元の名品を次代へと繋ぐ架け橋として、ぜひ私どもの査定をご利用ください。
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