
蒔絵香合
荒波の中に力強く立つ岩を描いた、見事な蒔絵香合をお譲りいただきました。金粉を贅沢に用いた「波に岩」の意匠は、一筆一筆が精緻を極めており、うねる波濤(はとう)の躍動感と、どっしりと構える岩の静寂が見事な対比を見せています。
香合の底面に施された梨地(なしじ)もまた、奥深い輝きを放ち、当時の作者の確かな技量と、高い美意識が細部にまで宿っております。
古くから香合は、茶の湯の炭点前において欠かせない存在として重宝されてきました。香を焚くことで場を清め、客人を迎えるという礼儀と精神性の象徴でもあります。本作に描かれた波の文様は、困難に立ち向かう力強さを象徴する吉祥文様として、古来より多くの茶人や蒐集家に愛されてきた歴史的な背景がございます。
古美術永澤では、大切に受け継がれてきた茶道具や蒔絵作品の価値を正しく見極めるため、経験豊かな査定士が丁寧に拝見いたします。ご自宅に眠っている香合や古い漆器などがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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