大西清右衛門 霰御前釜

千家十職の釜師、大西清右衛門（おおにし せいえもん）の手による名品「霰御前釜（あられごぜんがま）」をお譲りいただきました。

大西家は室町時代から続く歴史を持ち、代々の当主が研鑽を積んできた釜師の最高峰です。本作の見どころは、地肌を埋め尽くすように施された緻密な「霰」文様です。整然と並ぶ無数の小さな突起は、一粒一粒が職人の卓越した技術によって鋳出されており、光の加減で豊かな表情を見せます。

御前釜という格式高い形状に、経年による深い風合いを纏った地肌と上品な蓋が調和し、洗練された美しさを放っています。

大西家は四百年以上にわたり京都・三条の地で釜造りを家業とし、千家向けの釜を数多く制作してきました。その歴史は茶道の発展と共にあり、生み出される釜は、茶席の精神的な中心を担う存在です。時代を超えて受け継がれる侘び寂びの美意識が凝縮された清右衛門の作品は、今なお多くの愛好家を魅了し続けています。

古美術永澤では、こうした歴史的価値の高い茶道具を後世へと繋ぐお手伝いをしております。コレクションの整理や買取をご検討の際は、お気軽に私どもへご相談ください。

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