
アンジェラス・クロノデイト(Angelus Chronodato)
アンジェラス(Angelus)のクロノデイトです。1942年に発表されたもので、世界初のトリプルカレンダー付きクロノグラフです。
トリプルカレンダーとは、それぞれ「月」を12時位置、「曜日」を6時位置、「日付」を外周の赤い三日月針(ポインターデイト)で表示する機能のことです。またクロノグラフはバイコンパックス2カウンターとなっており、左の通常の秒針のスモールセコンドと、右の45分積算計はギューシェ彫りで統一されていますが、サブダイヤルのデザインは右側のみ大きくなっており、この非対称デザインがヴィンテージクロノグラフとしての趣を感じさせます。こういった非対称性は、当時の多くのブランドが持つデザイン思想でした。
右のクロノグラフにだけ入っている赤い線は「テレフォン・カウンター」と呼ばれるものです。1940年代は、国際電話は3分ごとに課金されるしシステムでした。最初の3分間が基本料金のみ、3分を過ぎると次の3分間の分の料金が自動加算され、6分、9分、12分…という区切りで料金が増えていく仕組みでした。これはそれを計るためのものです。当時の国際電話は高額で、日本からアメリカにかけるとして3分で現在の1~2万円の料金がかかりました。うっかり長話をしてしまうと月収の何割もかかる…というもので、この赤い目盛りの分数を計ることが、非常に重要だったのです。
そうしたビジネスマンの実用性が詰め込まれた、ヴィンテージ品としても味わい深いお品です。
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