
ランゲ&ゾーネ(A. Lange & Söhne) 懐中時計
ランゲ&ゾーネ(A. Lange & Söhne)の懐中時計です。1922年製造のお品です。
創業者のフェルディナント・アドルフ・ランゲはパリのルイ・ブレゲの弟子のもとで学び、独自の時計工法技術を会得し、1845年、ザクセン王国の支援を受け、貧しい鉱山町であったグラスヒュッテ (Glashütte) に時計工房を設立しました。息子たちが経営に参加した1868年以降にブランド名が「A. ランゲ&ゾーネ(A. ランゲと息子たち)」となり、高品質な懐中時計で世界的な名声を確立しました。
しかし1920年代、腕時計の台頭により、懐中時計の販売は急激に落ち込みました。多くの時計メーカーはうまく適応しましたが、ランゲ&ゾーネ(A. Lange & Söhne)は、真のマニュファクチュール(自社一貫生産)として時計愛好家から尊敬を集める古参メーカーで、腕時計のノウハウは全くありませんでした。
そして1923年はドイツ経済が崩壊した年であり、歴史的ハイパーインフレが起きました。物価は数年前まで1ドル約75マルクだったのに、1923年の11月には1ドルが4兆2,000億マルクという暴騰ぶりでした。午前、昼、夕方で物価が激しく上がってしまうので、給料は日に3回支払われ、人々は受け取ったらすぐ食品を買いに走る、ということが日常的に起こりました。企業倒産と大量失業を招き、高価な懐中時計を世界中のどこへ行っても売ることはほぼ不可能でした。
奇しくも本作はその前の年に、変わらぬ職人の手作業で製造されたお品です。内蓋のラベルの一番下に書かれているドイツ語は「41個の一等賞(博覧会賞)を受賞」を意味し、ランゲ&ゾーネ(A. Lange & Söhne)のブランドとしての誇りと栄光の証です。
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