
歌川国貞(三代 歌川豊国)と二代 歌川広重による浮世絵「江戸自慢三十六興 向嶋堤ノ花并ニさくら餅(むこうじまづつみのはなならびにさくらもち)」です。
「江戸自慢三十六興(えどじまんさんじゅうろっきょう)」は、元治元年(1864年)頃に刊行された連作で、三代 歌川豊国(人物)と二代 歌川広重(風景)が合作し、四季折々の江戸の風情や風俗、な名所や年中行事、名物を鮮やかに描いた全36図のシリーズです。
向島の隅田川沿いの堤は、江戸第一の桜の名所でした。
桜餅は、この隅田川堤に近い長命寺の門番が落葉掃除をしながら思いつき、長命寺境内に山本屋を創業して、桜餅を売り出したのが始まりで、江戸の名物になりました。花見の時期だけで、1日に700個、1年分の売上を上げたそうです。
本図は二人の女性が両端を持った棒に「さくら餅」と書かれた籠をぶら下げて歩いている様子が描かれています。籠は「烏帽子籠(えぼしかご)」と呼ばれる竹籠です。手で提げやすいように作られていて、当時は桜餅を竹の皮で包み、この烏帽子籠に入れて運んでいたようです。
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