
歌川国貞(三代 歌川豊国)と二代 歌川広重による浮世絵「江戸自慢三十六興 品川海苔(しながわのり)」です。
「江戸自慢三十六興(えどじまんさんじゅうろっきょう)」は、元治元年(1864年)頃に刊行された連作で、三代 歌川豊国(人物)と二代 歌川広重(風景)が合作し、四季折々の江戸の風情や風俗、な名所や年中行事、名物を鮮やかに描いた全36図のシリーズです。
火鉢で抄き海苔を焼く人物とその向うの海に、海苔養殖のノリヒビ(木の枝や笹竹を海中に建てて海苔を付け育てるもの)が見えます。紙のように抄いた抄き海苔の製造が浅草で始まったのは享保(1716-36)のころで、浅草は観音の門前町だったため浅草海苔は名物となり、その原料の多くは品川でとれた生海苔でした。
天明(1781-89)になると抄き海苔製造の中心が浅草から品川に移り、品川で製造しても浅草へ運んで売れば浅草海苔、品川で売れば品川海苔と呼ばれるようになったそうです。海苔の大量生産が始まり、これまで貴族階級の口にしか入らなかった海苔が、江戸に幕府が開かれたことが転機になり、一般庶民の口に入るようになりました。
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