
三代 歌川豊国(歌川国貞)による浮世絵「東海道五十三次之内 戸塚 早野勘平(とつか はやのかんべえ)」です。
「役者見立東海道」と呼ばれるシリーズ作品の一つで、手前に役者絵、背景に演目や登場人物に関係する宿場の風景(この場合は戸塚)が配されており、八代目 市川団十郎が演じる「早野勘平」を演じている様子が描かれています。
この浮世絵に描かれている歌舞伎の演目は『仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)』という、江戸時代の元禄年間に実際に起きた赤穂事件(あこうじけん)を題材にした人気の演目です。
「仮名手本忠臣蔵」の三段目から四段目にかけて、早野勘平と恋人のお軽(おかる)の二人が鎌倉から京へと落ち延びる道中を描いた「道行旅路の花聟(みちゆきたびじのはなむこ)」の舞台が、本品の背景、戸塚山中(現在の横浜市戸塚区大阪上付近)とされています。
早野勘平の物語は、日本文化における「義理(義務)」と「人情」の対立が生んだ、人間味あふれる悲劇の一つとして現代まで語り継がれています。
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