
三代 歌川豊国(歌川国貞)による浮世絵「東海道五十三次の内 池鯉鮒 業平(ちりゅう なりひら)」です。
「役者見立東海道」と呼ばれるシリーズ作品の一つで、手前に役者絵、背景に演目や登場人物に関係する宿場の風景(この場合は池鯉鮒宿)が配されており、初代 坂東竹三郎(後の五代目 坂東彦三郎)が「在原業平(ありわらのなりひら)」に扮している様子が描かれています。
池鯉鮒宿(現在の愛知県知立市)の近くにある名所「八橋」が、在原業平の『伊勢物語』における「かきつばた」の故事で有名なため、宿場にちなんだ人物として業平が選ばれています。
在原業平(ありわらのなりひら)と「かきつばた」は、『伊勢物語』第九段「東下り」で、業平が三河の八橋(現在の愛知県知立市)で美しいかきつばたを見て、句の頭に「か・き・つ・は・た」の5文字を詠み込んだ有名な歌
「唐衣(からころも) きつつなれにし つましあらば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」
に由来します。各句の頭をとれば、違う意味の言葉が現われる「折り句(おりく)」の歌として知られ、かきつばたの名所「八橋」のシンボルとなっています。
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