
三代 歌川豊国(歌川国貞)による浮世絵「東海道五十三次の内 日本橋 松魚売(にほんばしかつおうり)」です。
「役者見立東海道」と呼ばれるシリーズ作品の一つで、手前に役者絵、背景に演目や登場人物に関係する宿場の風景(この場合は日本橋宿)が配されており、歌舞伎役者の三代目 坂東三津五郎が「松魚売(かつおうり)」に扮している様子が描かれています。
十二ヶ月の所作事(十二変化)を演じる歌舞伎演目「四季詠寄三大字(しきのながめよせてみつだい)」の内、4月にあたるのが「鰹売(松魚売)」。江戸の初夏の風物詩であった初鰹売りを演じ、鰹を入れた盤台を天秤棒の両方に掛けた、勇み肌の姿が印象的な演目です。
松魚(かつお)は「鰹」の異名で、鰹節の切り口が松の木の年輪に似ていることが由来とされています。
江戸っ子にとって初鰹は特別なもので、江戸時代から「初物好き」の文化と「粋」の精神を象徴する存在で、「初物を食べると75日長生きする」という言い伝えもあり、非常に高値で取引され、大衆もこぞって買い求めました。江戸っ子にとって初鰹は特別なもの。
鰹は五穀豊穣の恵みをもたらす梅雨と夏を連れて来る大変縁起の良い魚として、真っ先に将軍に献上されためでたい魚なのです。
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