
三代 歌川豊国(歌川国貞)による浮世絵「東海道五十三次の内 品川駅 幡隨院長兵衛(しながわえき ばんずいいんちょうべえ)」です。
「役者見立東海道」と呼ばれるシリーズ作品の一つで、手前に役者絵、背景に演目や登場人物に関係する宿場の風景(この場合は品川駅)が配されており、歌舞伎役者の五代目 松本幸四郎が「幡隨院長兵衛」に扮している様子が描かれています。
「幡随院長兵衛」は江戸時代に実在した人物で、この人こそ“男も惚れる男の中の男”と現在まで語られています。
武士の子として生まれ、本名は塚本伊太郎といいます。主君が落城後、武士を捨て、名を「幡随院長兵衛」と改めた伊太郎は浅草花川戸に住み、口入れ屋(大名や旗本への奉公人を斡旋する職業)を営むことになります。
幡随院長兵衛は人夫達を束ね扱るうちに、その腕っぷしや度胸のよさだけではなく仁徳により人々の信頼を得て、江戸の「町奴」達の頭領となっていったのです。
「町奴」は“男伊達”を競うようになります。“男伊達”とは男の面目を保ち“弱きを助け強きをくじく”というものであり、本来の「任侠」の意味に通じます。
歌舞伎演目の『極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)』では数々の名台詞が登場します。
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