
初代 歌川広重による浮世絵「東海道五十三次の内 阪之下 筆捨嶺(さかのした ふですてみね)」です。
東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)は、江戸時代に徳川家康が整備した江戸・日本橋と京都・三条大橋を結く幹線道路(東海道)に設けられた53の宿場のことです。
古来、道中には風光明媚な場所や有名な名所旧跡が多く、浮世絵や和歌・俳句の題材にもしばしば取り上げられています。
阪之下宿は48番目の宿場で、現在の三重県亀山市関町坂下にあたります。
画面左に大きくそびえる岩山は、もとは岩根山(いわねやま)という名で、奇岩や松、滝などで知られており、この作品も山肌には流れ出す2条の滝が見えます。室町時代の著名な画家である狩野元信がこの山のあまりの美しさに感動し、自分の技量では描ききれないと筆を投げ捨てた(筆を折った)という伝説から、「筆捨山」と呼ばれるようになりました。峠と山の間にある余白が距離感を生み、自然の雄大さを見せている作品です。
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