
初代 歌川広重による浮世絵「東海道五拾三次之内 沼津 黄昏図(ぬまづ たそがれず)」です。
東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)は、江戸時代に徳川家康が整備した江戸・日本橋と京都・三条大橋を結く幹線道路(東海道)に設けられた53の宿場のことです。
古来、道中には風光明媚な場所や有名な名所旧跡が多く、浮世絵や和歌・俳句の題材にもしばしば取り上げられています。
沼津宿は12番目の宿場で、現在の静岡県沼津市大手町周辺にあたります。
「東海道五拾三次」の中で唯一の夜景の作品です。大きな満月が上がり、明るくなった狩野川沿いの道を親子の旅人(一説に二人の尼僧とも)と天狗の面を背負った旅人が、沼津の宿場を目前に歩いています。画面中央の人物が背負う天狗は、猿田彦(さるたひこ)の面で、讃岐の金毘羅参りへの途上で、天狗の面は金毘羅大権現への奉納品とみられます。
藍と鼠色を基調として、静寂と哀愁の漂う夕暮れの風景が見事に表現された作品です。
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