
初代 歌川広重による浮世絵「富士三十六景 左側の作品:雑司かや不二見茶や(ぞうしがやふじみちゃや)と右側の作品:東都飛鳥山(とうと あすかやま)」です。
富士三十六景は広重がその画業の晩年に手掛けた富士山をテーマにしたシリーズで、葛飾北斎に対抗して描いたと言われています。
「雑司かや不二見茶や」の「不二見茶や」とは、詳しい場所名はでてこないものの、雑司ヶ谷といえば三代鬼子母神の参詣地としてよく知られた場所です。鬼子母神堂は、子授け・安産・子育ての神様として、女性参詣者に人気のあった場所で、画中の2人の女性も参詣の帰り道に富士が見通せる高台の茶屋に立ち寄った場面だと窺えます。
東都飛鳥山は、現在の東京都北区にある飛鳥山です。飛鳥山は江戸時代から桜の名所として知られていました。画面には、満開の桜が咲き誇る芝生の丘を人々が散策する様子が描かれています。奥に見える傘の列は「江戸名所 飛鳥山花見乃図」でも描かれていた、揃いの日傘や小袖で花見に出向く踊りの師匠と弟子の一行だと思われます。
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