
江戸自慢三十六興 鉄砲洲いなり富士詣
歌川国貞(三代 歌川豊国)と二代 歌川広重による浮世絵「江戸自慢三十六興 鉄砲洲いなり富士詣(えどじまんさんじゅうろっきょう てっぽうずいなりふじもうで)」です。
「江戸自慢三十六興(えどじまんさんじゅうろっきょう)」は、元治元年(1864年)頃に刊行された連作で、三代 歌川豊国(人物)と二代 歌川広重(風景)が合作し、四季折々の江戸の風情や風俗、な名所や年中行事、名物を鮮やかに描いた全36図のシリーズです。
現在の中央区湊にある鉄砲洲稲荷神社です。当時、境内には富士山の溶岩で作られた富士塚(人工の小さな富士山)があり、そこへ参拝する「富士詣」の様子が描かれています。富士山の山開き6月1日は、江戸の人々は家々の軒下で線香を焚いて富士を遥拝しました。もともと富士山の神聖視はありましたが、江戸時代には「富士講」と呼ばれる富士山を信仰する人々の集まりが各地で組織され「富士詣」が流行するようになりました。さらに江戸の町には富士山に行かずとも富士詣ができるようにと、あちこちに人工の富士山が作られるようになったのです。
手前の少女が持っているのは、駒込の富士塚で厄除けとして売られていた麦藁細工の蛇です。
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