
月岡芳年(1839-92)による浮世絵「月百姿 左側: 鳶巣山暁月 戸田半平重之(とびすやまぎょうげつ とだはんべえ)/右側: 金時山の月(きんときやまのつき)」です。
「月百姿(つきのひゃくし)」は月をテーマとした全100点揃の大判錦絵で、のべ8年を掛けて完結し、月岡芳年(つきおかよしとし)の最後の大作・代表作の一つと評価されています。
「鳶巣山暁月 戸田半平重之」の舞台となっているのは、1575年、織田・徳川連合軍と武田軍が対立した「長篠の戦い」です。長篠の戦いの際、武田軍が布陣していた「鳶ヶ巣山砦」(とびがすやまとりで)を急襲。このとき戸田半平は、夜間で視界が悪いにもかかわらず、武功を挙げた際に自身の目印となる「指物(さしもの)」を背中に差して出陣しており、その指物は、本図のようなしゃれこうべであったと言われています。
「金時山の月」に登場するのは足柄山の伝説的な英雄、金太郎(坂田金時)の幼少期が描かれています。猿と兎が近くに落ちている柿をとりあってなのか、相撲(あるいは戯れている様子)をとっているのを微笑ましく、あるいは見守るように眺めている構図です。
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