
月岡芳年(1839-92)による浮世絵「月百姿 左側: 吉野山夜半月 伊賀局/右側: しつか嶽月 秀吉」です。
「月百姿(つきのひゃくし)」は月をテーマとした全100点揃の大判錦絵で、のべ8年を掛けて完結し、月岡芳年(つきおかよしとし)の最後の大作・代表作の一つと評価されています。
「吉野山夜半月 伊賀局」は南北朝時代の説話集『吉野拾遺』に基づいて伊賀局(いがのつぼね)と藤原基任(ふじわらのもととお)の亡霊が描かれています。伊賀局は蝕の夜、吉野山の宮廷の庭に死後に弔ってもらえず、現世を彷徨っていた藤原基任の亡霊に臆することなく対応し、弔いをすることを約束して退散させました。
「しつか嶽月 秀吉」は、1583年の賤ヶ岳の戦いで勝利を確実にした直後の豊臣秀吉を描かれています。真夜中の月光の下、松の木にもたれかかり、兜をかぶって勝利の安堵と疲労、そして次の時代を見据える武将の複雑な表情が描写されています。秀吉が着用している「一の谷馬藺(いちのたにばりん)兜」も印象的に描かれています。
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